【Twitter Analytics】3,000フォロワー突破した2016年の合唱音源の新着情報まとめ
集計プログラムを改修していたため例年から遅くなってしまったのですが、合唱音源の新着情報の2016年を振り返ろうと思います。
フォロワー数の概況
年 | フォロワー数 |
---|---|
2012年 | 550人 |
2013年 | 1,601人 |
2014年 | 2,309人 |
2015年 | 2,708人 |
2016年 | 3,122人 |
合唱音源の新着情報のTwitterのフォロワー数は3,122人となり、昨年1年間で414人の増加となりました。 増加ペースは2015年よりは回復傾向ですが、やはり少なくなっています。
> SELECT STRFTIME("%Y", tweet_datetime) AS year, COUNT(*) FROM tweets WHERE tweet_datetime >= "2014-01-01" GROUP BY year; 2014|340 2015|308 2016|223 2017|7
せっかく投稿情報がRDBMSで管理されているので調べてみたのですが、投稿ペースが年々落ちてきているのがわかります。 これがフォロワー数の成長が鈍化している原因のひとつであることは想像に難くありません。
Webサイトなど新しい事に手を付けるため、2015年はTwitter投稿を自動化するシステムを作り、 さらに2016年は音源収集の最適化をはかり運用工数削減を行ってきました。 しかしそれらによっても投稿ペースを上げられていない状況です。
2016年9月に3,000フォロワーを突破しましたが、現状にあまり楽観視はできないと思います。 (そもそも趣味で運営しており、1円も収益を得ていないどころかサーバ費用など垂れ流している赤字プロジェクトなのですが)
facebookページの状況
年 | いいね数 |
---|---|
2015年 | 78 |
2016年 | 149 |
合唱音源の新着情報のfacebookページは昨年から「いいね!」数が倍増しております。
facebookの運営には詳しくないのでこれが良いペースなのかどうか分かりませんが、Twitterのフォロワー数に比べると寂しい印象を受けます。 facebookページにはまだまだ伸びしろがあると思います。
Twitter Analytics
2016年1月1日~12月31日に投稿された223件の投稿のうち、純粋に合唱曲を紹介している186件のツイートを集計します。
例年同様、合唱音源の新着情報のTwitterは「拡散されること」と「再生されること」の2つを指標としているので、下記数値を集計していきます。
ココで言う「リツイート数」はそのまんま、「インプレッション数」はTwitterAnalyticsで確認できる数値を用います。
「クリック数」は下記3つの合計とします。
- リンククリック数
- 詳細クリック数
- メディア再生リンククリック数
「いいね(お気に入り)」など他の数値は獲得しても特にメリットが無いので、追っていません。
ツイート別RTR Best10
以下、日付部分がTwitterへのリンク、それ以外はWebサイトへのリンクになっています。
順位 | tweet | performer | composer | 曲名 | RTR |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 1/1 | 今年を歌おうプロジェクト | 松下耕 | 今年 | 0.459% |
2位 | 11/23 | 合唱団彩葉 | めざせポケモンマスター | 0.404% | |
3位 | 4/2 | 合唱団そうなそ | 千原英喜 | わが抒情詩 | 0.354% |
4位 | 11/18 | 合唱団Volare | 市原俊明 | 角を吹け | 0.316% |
5位 | 8/18 | 青葉城址男声合唱団,立命館大学メンネルコール,横浜国立大学グリークラブ | 信長貴富 | くちびるに歌を (Hab' ein Lied auf den Lippen) | 0.316% |
6位 | 2/21 | Ensemble Bel Homme | 信長貴富 | 初心のうた | 0.311% |
7位 | 2/21 | 東京農工大学・女子美術大学 混声合唱団 | 仁平秋弘 | 流離,犀川,坂 | 0.302% |
8位 | 7/13 | Gaia Philharmonic Choir | 千原英喜 | 第2楽章 | 0.299% |
9位 | 11/5 | 合唱団お江戸コラリアーず | 信長貴富 | Fragments -特攻隊戦死者の手記による- | 0.287% |
10位 | 6/7 | 北海道大学合唱団 | 鈴木憲夫 | 永久ニ,星の降る丘,宇宙のもと | 0.275% |
(記事の最下部に100位までのランキングを掲載しています)
例年通り「今年を歌おうプロジェクト」の音源が最も大きな反響をいただきました。 50リツイート/10,896インプレッション=RTR 0.459%となり、史上初のインプレッション数1万超のツイートとなりました。
今年を歌おうプロジェクト2015to2016
— 合唱音源の新着情報 (@s2terminal) 2015年12月31日
松下耕 作曲
「この星の上で」より
『5.今年』https://t.co/yqUXZuTXGA
1月1日のTwilogを見ていただければ分かるのですが、まず公式の投稿(私の倍以上のRTがあります)をRTさせて頂いて、後発の私のツイートでありながらこの反響です。 「今年を歌おうプロジェクト」がいかに影響力の大きいプロジェクトかが分かります。
2位以降は千原英喜、信長貴富、鈴木憲夫といった今までも数多く紹介させて頂いている作曲家の作品に混じって、市原俊明「印象」と、仁平秋弘「流離のうた」が食い込んできています。
市原俊明 作曲「印象」より『角を吹け』
合唱団Volare
— 合唱音源の新着情報 (@s2terminal) 2016年11月18日
市原俊明 作曲
「印象」から『角を吹け』https://t.co/0PMCaOA6X2
市原俊明 作曲「印象」より『角を吹け』は、2015年の朝日作曲賞受賞曲、2016年の全日本合唱コンクール混声G4課題曲でした。
仁平秋弘 作曲「流離のうた」
東京農工大学・女子美術大学 混声合唱団
— 合唱音源の新着情報 (@s2terminal) 2016年2月21日
仁平秋弘 作曲
「流離のうた」初演より
『1.流離』https://t.co/ZKwIix6uoQ
『2.犀川』https://t.co/3DMshB7jfK
『3.坂』https://t.co/8FNvoy1o2i
東京農工大学・女子美術大学 混声合唱団
— 合唱音源の新着情報 (@s2terminal) 2016年2月21日
仁平秋弘 作曲
「流離のうた」初演より
『4.秋の日』https://t.co/T6qF1onJuv
『5.都に帰り来て』https://t.co/X7xvnRPt67
仁平秋弘 作曲「流離のうた」は2015年末に初演され、2016年2月にその演奏映像が公開されて話題となりました。
いずれも2015~2016年を象徴していた新しい曲です。 合唱音源の新着情報は、名前に「新着」を銘打っているとおり、こういったできるだけ新しい、いま歌われている音楽を紹介していきたいと思っています。
ネタ枠の傾向
2016年は『Pokémon GO』『ポケットモンスター サン・ムーン』が発売された影響もあってか、『めざせポケモンマスター』が大きな反響を集めました。
合唱団彩葉
— 合唱音源の新着情報 (@s2terminal) 2016年11月23日
アニメ「ポケットモンスター」より
『めざせポケモンマスター』合唱編曲https://t.co/O1xDJ0tQEu
他にも魔法少女まどか☆マギカの『コネクト』(非公開にされてしまったようです...)、 新世紀エヴァンゲリオンの『残酷な天使のテーゼ』など アニソンが幾つか上位に見受けられましたが、 こういった音源に頼って知名度を引き上げていた2015年ほどの影響力はありませんでした。
毎年書いておりますが、合唱音源の新着情報の目的のひとつはより多くの人に合唱というコンテンツをリーチさせることであり、 字面のインパクトが強く拡散性の高い上記のような曲も、時々紹介させて頂いております。
『合唱とはクラシックで神聖であるべきだ!』という方も『バッハとかモーツァルトなんて眠くてつまらない!』という方もいるかと思います。 合唱音源の新着情報はいずれも否定することなく、できるだけ中立公平な運営を目指しています。 私自身ができるだけ多様な合唱曲に出会い、メディアを通して少しでも多くの人に紹介していくことができればと思っています。
2017年について
今後は『Twitterに依存しない』事を掲げています。
Twitterはライフラインでも公共物でもなんでもなく、いち企業が運営しているサービスに過ぎません。 また既報の通り、その企業経営はうまく行っているとは言い難い厳しい状況に置かれています。
先日のfabric売却のニュースは結構衝撃的でした。
Twitterといえばバルスでも落ちない最強のID生成システムsnowflakeに代表されるように、技術面には明るいイメージがありました。 fabricはその象徴であると思っていましたが、ここ数年その内情も変化してきているのだと思います。
www.slideshare.net
Twitterというサービスの今後自体が先行き不透明です。 運営の方針が変われば、Twitter上での活動が今までと同じように続けられなくなるかもしれません。
合唱音源の新着情報は、言うまでもないですが規約や法令を遵守した公正な運営を当然心がけております。 しかし運営自動化にあたりTwitterのAPIを叩きまくっていたり、ツイート内容が著作権の観点から悪い印象を受けたりすることがあります。 アカウントの存続はいち企業の一存にのみ左右されるものです。明日アカウントがBANされないと言い切ることはできません。
急にTwitterが閉鎖してユーザーが路頭に迷うような事態が、すぐに起きるとは思いません。 しかし以上のように、運営が不安定になりかねない要素が複数存在します。
今後の合唱音源の新着情報は、Twitterに依存せずとも楽曲を紹介できるような体制を目指していきたいと思います。
当然Twitterは手軽さや拡散性の高さなど、合唱音源の新着情報にとって最もシナジーの大きいプラットフォームだと考えております。 これからもTwitterをメインとして運営していくことに変わりはありません。
過去の集計記事
2015年版
2014年版
付録
2016年 作曲家別RTR 上位30
rank | name | RTR | CTR | cnt | imp | rt | fav | clk |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 市原俊明 | 0.316% | 4.339% | 1 | 3,480 | 11 | 22 | 151 |
2位 | 仁平秋弘 | 0.250% | 2.239% | 2 | 7,996 | 20 | 18 | 179 |
3位 | 田中達也 | 0.244% | 1.481% | 3 | 12,292 | 30 | 13 | 182 |
4位 | 横山智昭 | 0.227% | 4.088% | 2 | 10,567 | 24 | 52 | 432 |
5位 | 尾形敏幸 | 0.226% | 1.293% | 1 | 3,093 | 7 | 6 | 40 |
6位 | 鈴木輝昭 | 0.200% | 7.257% | 2 | 9,494 | 19 | 48 | 689 |
7位 | 鈴木憲夫 | 0.189% | 1.479% | 3 | 11,091 | 21 | 29 | 164 |
8位 | 松下耕 | 0.188% | 2.318% | 14 | 65,347 | 123 | 200 | 1515 |
9位 | V.Barkauskas(バルカウスカス) | 0.188% | 1.505% | 1 | 2,658 | 5 | 9 | 40 |
10位 | 上田真樹 | 0.182% | 2.485% | 3 | 12,636 | 23 | 25 | 314 |
11位 | 北川昇 | 0.172% | 2.194% | 1 | 4,649 | 8 | 15 | 102 |
12位 | 信長貴富 | 0.169% | 2.605% | 29 | 115,874 | 196 | 347 | 3019 |
13位 | 松本望 | 0.169% | 4.197% | 1 | 3,550 | 6 | 16 | 149 |
14位 | Jaakko Mantyjarvi(マンテュヤルヴィ) | 0.159% | 2.127% | 1 | 3,150 | 5 | 10 | 67 |
15位 | 服部良一 | 0.157% | 1.021% | 1 | 3,818 | 6 | 8 | 39 |
16位 | 小林啓樹 | 0.156% | 2.302% | 1 | 2,563 | 4 | 4 | 59 |
17位 | 髙嶋みどり | 0.147% | 2.430% | 3 | 9,506 | 14 | 26 | 231 |
18位 | 千原英喜 | 0.142% | 2.242% | 27 | 93,838 | 133 | 343 | 2104 |
19位 | 佐藤賢太郎 | 0.139% | 2.021% | 3 | 11,528 | 16 | 27 | 233 |
20位 | M.Sato | 0.138% | 1.928% | 1 | 2,178 | 3 | 0 | 42 |
21位 | 周藤諭 | 0.135% | 1.144% | 3 | 8,132 | 11 | 9 | 93 |
22位 | 荻久保和明 | 0.133% | 1.636% | 3 | 8,252 | 11 | 21 | 135 |
23位 | 木下牧子 | 0.113% | 1.458% | 12 | 36,138 | 41 | 106 | 527 |
24位 | 多田武彦 | 0.113% | 1.457% | 2 | 7,067 | 8 | 9 | 103 |
25位 | 間宮芳生 | 0.112% | 0.448% | 1 | 2,678 | 3 | 3 | 12 |
26位 | Javier Busto(ブストー) | 0.111% | 1.412% | 1 | 2,692 | 3 | 11 | 38 |
27位 | 名島啓太 | 0.111% | 0.500% | 2 | 7,197 | 8 | 24 | 36 |
28位 | G.P.da Palestrina(パレストリーナ) | 0.105% | 2.094% | 1 | 3,821 | 4 | 3 | 80 |
29位 | Josu Elberdin(ホス・エルベルディン) | 0.103% | 1.497% | 1 | 1,937 | 2 | 7 | 29 |
30位 | 津田元 | 0.100% | 1.788% | 3 | 7,997 | 8 | 24 | 143 |
2016年 ツイート別RTR 上位100
【レイティング・ランキングの数理】 スプラトゥーンとポケモンのレート計算式を読み解く
レイティング・ランキングの数理 ―No.1は誰か?―という本を読んでいます。
数年前に買った『Google PageRankの数理』の続編のような立ち位置で、本書はPageRankに限らずより一般的な順位付けの手法を数多く語った本です。
例:Splatoonのウデマエ
まず本題に入る前に、例として『Splatoon』のガチマッチのウデマエについて軽く触れておきます。
計算方法はガチマッチ指南 - スプラトゥーン(Splatoon) for 2ch Wiki*に記載されています。以下にウデマエによる獲得基準ポイントを引用します。
ウデマエ | - | ± | + |
---|---|---|---|
C | +20 | +15 | +12 |
B | +10 | +10 | +10 |
A | +10 | +10 | +10 |
S | - | +4 | +3 |
これらにいくつかの要素が加わって実際のポイントが前後するのですが、基本的には 自分の所属ランク帯にウデマエの変動値が依存する ようになっています。
さて、このSplatoonのウデマエ計算式は、他のゲームと比べても結構特殊な物だったようです。 では一般的なレーティングとはどのような物なのでしょうか。
『レイティング・ランキングの数理』に紹介のあった手法のひとつ、チェス等の順位付けに使われている 「イロのレーティング(Elo Rating)」 について見てみます。
イロのレーティング
プレイヤーi,jのレートをそれぞれ,とおきます。 iとjとの勝負を考えます。
このとき「iがjに勝つ確率」を下記で表します。
ここで、つまりレート差で、高いほどiの方が強いということです。
そしてiとjが対戦した後、下記の計算式でiの新しいレーティングを算出します。
Kは定数で、高ければ高いほどレートの変動が大きくなります。Sはiがjに勝ったら1、負けたらゼロ、引き分けなら1/2とします。つまり勝った回数です。
詳細な仕組みは『レイティング・ランキングの数理』を読むか、Web上の文献だと下記が詳しいと思います。
イロのレーティングは以下の特徴を持ちます。
- レートの平均値(初期値)は1,500
- レートの差が200ある場合、約76%の確率でレートの高いほうが勝利する
ポケモンのレーティング計算式
最近ポケモンのレーティングバトルをしていたので、このレート計算式を題材として読み解いてみます。
ポケモンXY ORAS データまとめ wiki - 基礎知識より引用
勝利時に加算される値 = 16 +(相手のレート - 自分のレート)× 0.04
敗北時に減算される値 = 16 +(自分のレート - 相手のレート)× 0.04つまりレートが同じなら16変動し、レート差25ごとに1増減する。
※小数点以下、切り捨て
※レート差が400以上差がある場合、勝利時に加算される値はゼロ
つまり下記の式となるようです。
これを先程のとを使うと、下記に書き換えることができます。
イロレーティングの式のような形に変形することができました。
これを実際に先程のイロレーティングの式(2)にあてはめると、
となっています。
勝率の部分が、(1)と(3)とで大きく異なっている事が分かります。
これはイロのレーティングを修正したレート変動を計算しやすくした近似系のようで、Wikipediaによると棋力などのレーティングにも用いられている計算式のようです。
実際、イロのレーティングでレート変動を計算するには対数計算を使う必要があり、とても暗算では求められません。 ですが(3)の式でしたら、その場でかんたんに計算することができます。
ここまでをまとめると、下記のようになります。
イロレーティングにおける勝率の計算式
ポケモンなどで使われている勝率の近似式
イロのレーティングとその近似の比較
さて、この近似はどれくらいイロのレーティングに近いのでしょうか。
カシオ計算機のサイトで f(x)=(1/800)x+1/2、g(x)=1/(1+10-x/400) として算出しました。
d | 近似 | イロ |
---|---|---|
0 | 50% | 50% |
100 | 62.5% | 64.00649998% |
200 | 75% | 75.97469266% |
300 | 87.5% | 84.90204428% |
400 | 100% | 90.90909091% |
500 | 112.5% | 94.67597848% |
レート差300あたりまでは近い値が出ていますが、400で勝率100%を超えてしまい、非現実的な値となっている事が分かります。
実際のグラフは、下記のサイトだともう少し見やすくなります。
x≧400で1.0を突き抜けていることが分かります。
実際に、ポケモンでもレート差400以上ある時には例外措置が取られています。
ゲームにおけるレーティング
このイロのレーティングがどれくらい優れているかはレイティング・ランキングの数理に書かれている通りなので省略します。
ここで、冒頭に挙げたSplatoonのウデマエに話を戻します。
Splatoonのウデマエについて解説された記事がありますので、これらに目を通してみます。
Evaluating Splatoon's Ranking System より引用
nearly 75% of Splatoon players will end up with the rank of A−, A, or A+, with over 36% of players having a rank of A+
※上記はランクS,S+が追加されるアップデートよりも以前のものであり、A+が最高ランクの頃の話です
スプラトゥーンのウデマエ分布に関して - でこすけの日記 より引用
勝敗が完全にランダムだと半分以上のプレイヤーがクラスSになります
説明は省きますが、Splatoonのウデマエは特定ランク帯にプレイヤーが偏るようになっているようです。
さて冒頭にて、Splatoonのウデマエ変動の計算方法は他のゲームとは異なる独自のロジックに基づいている事を示しました。 実際にイロのレーティングの計算式を見た後であれば、その異質さは一目瞭然だと思います。
つまり「イロのレーティング」は勝率に基づいた客観性のある算出方法であるのに対して、「Splatoonのウデマエ」はどうやら 特定ランク帯に偏るよう意図して作られているらしい 事が見えてきます。
これはどういう事かというと、ある程度は プレイヤースキルに依存せずともランク上昇を味わうことができる 仕組みになっています。乱暴に例えると、プレイヤースキルよりもRPGのレベルのようにプレイ時間の影響を受けやすい指標だということです。 また、良くも悪くもウデマエがプレイヤースキルをあまり反映しておらず 実力差の大きいプレイヤーとも結構マッチしやすい仕組みだった ということです。 そのようにデザインされたゲームらしい事が分かりました。
おそらくプレイヤースキルを定量化して過度な競争を煽ることを嫌って、このような平和的な仕組みを取り入れているのだと考えます。競技性よりもパーティゲームを重視する、実に任天堂らしい設計だと思います。
まとめ
「イロのレーティング」という手法があり、ポケモンなど多くのゲームや競技のレートはこの方法をもとに算出されている事が分かりました。
一方Splatoonのウデマエは、プレイヤースキルを定量化するという目的よりも、ある意図を持ってゲームデザインのひとつとして設計されたらしい事が分かりました。
参考文献
本記事は、本書の第5章「Eloのシステム」のうちほんの数ページを参考にして書かれました。
本書には他にも数々のレイティング・ランキングの手法が紹介され、また前提知識となる数学的な要素が結構省かれているので、見た目以上にボリュームがあります。まるで大学の教科書を思い出します。 (実際、教科書としても使えるよ!と冒頭に書いてありました)
ランキングを作るという、ただそれだけでここまで奥深い内容になるのだと思いました。良い本です。
【初心者】ポケモン サン・ムーン 対戦環境を構築してみた
連休を使って普段できないような時間がかかる事をしようと思い、エンディングまでで止まっていた 『ポケットモンスター ムーン』 の対戦環境を構築しました。
正直フェアリータイプとかよく分かってないレベルですが、スターミーでサイコキネシスとかしたいだけです。
- ※エンディングを見た前提
- ※準伝説(UB、カプ)は使いません
今作は厳選や育成が楽になったと聞きますが、どうでしょうか。やってみましょう。
バトルツリー攻略
対戦のために必要なポケモンとアイテムを揃えますが、どちらも BP が必要です。 BPを稼ぐためにバトルツリーを攻略します。
まず、バトルツリー攻略用に サトシゲッコウガ を入手してLv50まで上げます。 体験版でククイ博士に話しかけて「製品版に送る」で入手可能です。
良くも悪くも個体値がACSの3Vで固定のようなので、性格のみ厳選すればOKです。たぶん「おくびょう」か「ひかえめ」のいずれかにするべきだと思います。 私は性格「おくびょう」の個体を運良く3回目で入手できました。 手軽に入手できて厳選・育成の手間もかからず、最適です。
ついでに努力値もデフォルトでS252+AC124?ぐらい入っているらしく即戦力。 みずしゅりけんも特殊技になったそうですしCS252にするのが理想ですが、面倒なので振り直しません。
BP無しで手に入るアイテムの用意
ハチマキ、メガネ、スカーフ、チョッキなども欲しいのですが、これらはBP無しで(つまりバトルツリー攻略前に)手に入れる方法は無いようです。
バトルツリー実戦
特に厳選などしていないパーティでも、普通のシングルなら勝ち抜くことができます。 20連勝で48BP手に入るので、コレで先ず赤い糸(48BP)に交換します。
実際に20連勝したときのパーティは以下。 旅パにわざマシン使っただけなので、努力値・個体値・性格は適当です。(さすがにAかCに下降補正かかってると厳しいかもしれません)
- 頑丈ジバコイル@オボン 10万ボルト/ラスターカノン/ボルトチェンジ/でんじほう
- 絆変化ゲッコウガ@タスキ みずしゅりけん/なみのり/れいとうビーム/あくのはどう
- メタグロス@珠 コメットパンチ/しねんのずつき/がんせきふうじ/アームハンマー
基本的にジバコイルでゴリ押し、無理そうな相手にはボルトチェンジします。 電磁砲は電気Z用に持たせていたのですが、なぜかオボンにしてました。 メタグロスにオボン、ゲッコウガに珠のほうが良さそう。でもそれくらい適当で勝てます。
厳選環境の構築
必要なポケモン
- アブソル: 「でんじは」「みねうち」で捕獲要員
- ラナキラマウンテンの草むらに出現
- ヒノヤコマ: 特性「ほのおのからだ」で孵化要員
- ケーシィ: 特定「シンクロ」で、先頭に置くことで相手の性格固定
- 2番道路の草むらで入手し、「いじっぱり」「ひかえめ」など必要な性格が出るまで孵化させます。
必要なアイテム
- あかいいと: 親に持たせると個体値が多く遺伝します
- ロイヤルドームにて48BPで購入できます
- かわらずのいし: 親に持たせると性格が遺伝します
- ハウオリシティでイリマに話しかけて入手できます
- しあわせのタマゴ: 獲得経験値が増えます
- ククイ博士のポケモン研究所でもらえます。たぶんクリア後限定
高個体値メタモンの入手
まず以下のポケモンを用意します。
- ヤブクロン: 特性「あくしゅう」、技はリサイクルのみ(思い出し技)ほかの技は忘れさせます
- マリエシティはずれの岬に出現
- スリーパー: すりかえ(思い出し技)を覚えさせ、ヒメリの実を持たせる
- クリア後に入れるポニの広野に出現。(確かクリア前でもどこかにスリープが出ます)
- アブソル: みねうち、みがわり、合計PP30以上の攻撃技(どろぼう、つじぎり)
- ラナキラマウンテンの草むらで出現
思い出し技はポケモンリーグ前、技忘れはハウオリシティのポケモンセンターです。
準備が揃ったら、ホクラニ山の草むらでメタモンを探し、下記手順で捕獲します。
これで4Vメタモンが確定だそうです。便利な時代になりました。
少なくともSはVな個体が欲しいです。 個体値のジャッジはバトルツリーのPC前の男に話しかけると解禁されます。 (解禁条件はタマゴを20回以上孵化させてからだそうです。シンクロケーシィを増やした段階で突破していると思います。)
厳選作業
ようやく好きなポケモンの育成に着手できます。 (ここまで来るのに『魔法少女まどか☆マギカ』全12話が終わったので、約5時間位でしょうか)
高個体値のメタモンに「あかいいと」、必要な性格・特性を持つポケモンに「かわらずのいし」をもたせ、オハナ牧場に預けます。
パーティをヒノヤコマとタマゴだけにして、狙った性格・特性・個体値が出るまで粘ります。 牧場の真ん前の柵の中でラッシュすると歩数を稼げます。 タマゴが発見されると牧場の人が首を傾げるようですので、それを合図にタマゴを受け取ります。
個体値は面倒なので5Vからマイナス10くらいで妥協しますが、SだけはVを狙います。 (今作は後から個体値を上げる方法もあるようなので、無理はしません)
育成作業
必要な努力値を振ります。
「ポケリゾート」で「わいわいリゾート」を開発していると努力値と経験値が自動で手に入るようですがそんなものは無いので、ここは伝統通りタウリンやインドメタシンを使って、後はコラッタやコダックをたくさん倒します。
まず、必要な努力値に該当するパワーXX系(要16BP)を入手しておきます。 ポケルスがあれば移しておきますが、これはすぐには用意できないのでパスします。 一方で、今作は「仲間呼び」にて出てきたポケモンは努力値が増える(2倍?)ようなので、メタモン呼びと同じ要領で積極的に狙います。
がくしゅうそうちをONにすると手持ち全員に努力値が入り、控えにもパワーXX系が有効なので、複数匹まとめて育成に連れて行くと効率的です。
どうやら「つよさをみる」のレーダーチャートで、項目が光っていればそのステータスに252振られている証拠、グラフがオレンジではなく青になっていれば全体で510振られている証拠のようですので、目安にします。
実戦してみた
とりあえずピンときた下記4体を育成しました。(※基本スターミー使いたいだけです)
特性/持ち物 | 性格/努力値 | 技 |
---|---|---|
スターミー しぜんかいふく @いのちのたま |
おくびょう CS252 H4 |
ハイドロポンプ サイコキネシス れいとうビーム 10万ボルト |
ワルビアル いかく @きあいのタスキ |
いじっぱり AS252 H4 |
じしん かみくだく ちょうはつ ストーンエッジ |
ミミッキュ ばけのかわ @ラムのみ |
いじっぱり AS252 H4 |
じゃれつく シャドークロー かげうち つるぎのまい |
メタグロス クリアボディ @オボンのみ |
いじっぱり HA252 B4 |
コメットパンチ しねんのずつき バレットパンチ アームハンマー |
後はフェイクとして適当なLv.50ポケモン(理想はクワガノン、グソクムシャ、ギルガルドあたりでしょうか)で枠を埋めました。
1度レーティングバトルに潜ってみました。
レート1,434の方にあっさり負けました。(1,500→1,481)
カプ・コケコ に3タテされました。私のパーティ弱すぎ...
なんでもカプ・コケコは現環境でレーティングバトルの使用率が非常に高いトップメタの一角だそうで、対策しないと勝利はありえないようです。メレメレ島の守り神はレーティングバトルも守っているようです。アローラの現実は厳しいです。
なお、ひかえめ準速カプ・コケコはS実数値182、おくびょう最速スターミーは183なので、ギリギリ抜くことができます。 さらに耐久無振りカプ・コケコはスターミーのこだわりメガネハイドロポンプで確定1発(珠だと乱1)らしいので、メガネがほしいです。またBPが必要です。道のりは長いです。
まとめ
確かに昔に比べれば構築までは楽になったと感じますが、それでもポケモンの対戦は一朝一夕には成就しない事がわかりました。
参考文献
なぜ『The Last of Us』はただのゲームではないのか
※【注意】この記事では18歳以上を対象とした作品について取り扱っています 。
また、基本的に『The Last of Us』のネタバレしかありません。
ゾンビが脇役
このゲームはいわゆるゾンビサバイバルゲームです。要するにバイオハザードです。 なのにゾンビは脇役です。むしろ人間のほうがずっと恐ろしいのです。
ゾンビである"感染者"は種類がたった3つしかなく、特に終盤になってジョエルの装備が揃ってくると大した脅威にはなりません。 実際に「感染者は動きが読めるから脅威にはならない」というセリフも劇中にあります。NPCであるエリーも対処法を徐々に身につけてくれるため、かなり心強くなります。
それに対して人間は集団での連携、仲間の死体の視覚感知、銃火器による遠距離攻撃、弾切れの隙を見計らうなど様々なアビリティを持っており、ジョエルがどれだけ武装していても基本的に見つかれば死にます。 実際レベルデザイン的にも、感染者との最後の戦いの後に、ファイアフライとの決戦を置いています。
しかし、最も恐ろしいのは怒り狂った主人公ジョエルです。 特に"WINTER"の途中にある拷問シーンは無慈悲過ぎて吹き出してしまいました。お腹に穴が開いているはずなのですが敵を滅多打ちにする姿は、娘を殺され復讐を誓った一児の父そのものです。 敵がジョエルに対して「あの狂った男に何人も殺された」と語ったりします。完全なるダークヒーローです。
アクションゲームとしては未知の生物・凶悪な敵をゲーム進行に沿って順番に配置していくのがお約束ですが、このゲームはその文法をある程度崩してシナリオや演出を優先しています。 (もちろん、最強の感染者であるブローターは中盤以降の要所でしか出現しないなど、基本的にはゲームっぽい配置になっています)
映画的演出とゲーム的演出のさじ加減
本作品は、ムービーによるデモシーンの映画的演出と、プレイアブルなゲーム演出、そのバランスがかなり特徴的です。
その最たる例が、最終ステージである ソルトレイクシティの病院 です。
ファイアフライ助けられた後、ジョエルが反抗をはじめる最初の拷問シーンはムービーとなっています。 プレイヤーの意思を問わずジョエルが勝手に騒ぎを初め、物語の最終決戦である病院内の銃撃戦パートに進みます。 ここまでは普通だと思います。
激しい戦闘を抜けたその先、手術室で無抵抗の医師と対峙したシーンで引き金を引くのはプレイヤーに委ねられます。特に 「抵抗できない人間を一方的に撃たなければならない」 という場面は劇中ほぼ無いので、かなり気が滅入ります。 (一応「ひと思いにやってくれ」と言う序盤のチュートリアル的な役割のキャラがいます)
更に驚きなのが病院脱出後、駐車場のマーリーンと対峙するシーンは全編ムービーで、怒り狂ったジョエルが無慈悲に決着を付けます。 ふつうのゲームならここで巨大な最強ゾンビが襲い掛かってきて勇敢な音楽が流れる戦闘シーンに移ったりするところですが、このゲームの最後の敵は1人の人間、それも決着はムービーで終わります。 派手なラストバトルだったりは一切なし。 プレイヤーの介入する余地がなく、ここは完全に観るだけの映画的演出です。
- ジョエルが最初に拷問するシーンはムービー
- 手術室で医師に引き金を引くシーンはプレイアブル
- マーリーンと対峙するシーンはムービー(しかも回想)
主人公ジョエルの非情さはムービーシーンで際立てつつ、重要なファクターにプレイアブルシーンを挟むことで、プレイヤーをジョエルの立場に引きずり込んで行きます。 映画的要素とゲーム的要素をうまく混ぜて 「遊べる映画」 に仕立て上げています。
つまりラスボスを最後に倒す敵と定義づけるならば、このゲームのラスボスは 何の抵抗もできない医師 です。最も弱いターゲットをシナリオの一番最後に置いています。 彼を殺すことで世界を救う方法を奪い、ジョエルを悪に堕とすこと、その最後の壁をプレイヤー自身が乗り越えることがラスボス戦なのです。
プレイ時は「メタルギアソリッド3でもラストに似たような演出あったな」と思ったのですが、あれは最強の敵であり最愛の人に対してトドメを刺すシーンなので、最愛の人を守るため最弱の敵を殺すラストオブアスとは正反対です。
そして物語上最後の敵であるマーリーンとの戦闘はカットして先にエンディング突入。顛末は回想で語られます。 このセンスはすごい。
他にも、ジョエルとエリーの絆の変化をあらわすような重要な会話パートがプレイアブルなシーンのまま進んだりする所はゲーム的と言えます。 例えばキリンを見たときの会話にデモシーンが用意されていませんが、これは自分の手で見つけた喜びを味わって欲しいというゲーム的な演出だと解釈しています。
その一方で、カットを効果的に使って間をプレイヤーの想像にまかせる手法は映画的です。具体的には季節の切り替わるシーンが挙げられます。 ラストの「誓ってよ」の打ち切り方もそうです。本筋は一本道の明快なストーリーでありながら要所要所を適切に省いており、特にエンディングの解釈は人によるところがあります。
長い旅路のすべてがプレイアブルではないのでダレることもない、かと言ってムービーだらけの見るゲーかと問われれば決してそうではない。このふたつのバランスがとても良いのです。 物語上とくに何も無い期間は一気にカットされるのですが、だからと言って残るゲームシーンは派手なドンパチやりまくるシーンばかりでもありません。 たまに敵の出ない何も無い道をただ歩くだけみたいなシーンもあって、それがまたすごく安心できて、プレイに緩急を与えています。この塩梅がすごい。
まとめ
ゲームとしての文法を守りつつも、中身は他のゲームとはまるで正反対、ただの映画や見るだけゲーとも違う、まさに「遊べる映画」を実現してしまったのが『The Last of Us』です。
関連記事
(下記と合わせて2016年を振り返る3記事としたかったのですが間に合いませんでした)
なぜ『ニンジャスレイヤー』はただの小説ではないのか
2016年を象徴する大きな出来事として「ニンジャスレイヤー第3部: 不滅のニンジャソウル」が完結しました。
ニンジャスレイヤー第三部が素晴らしくスゴイ完結をしました。サツバツナイト…泣 第四部も非常に楽しみです。でも今日は第1部 無印ニンジャスレイヤー フィスト・フィルド・ウィズ・リグレット・アンド・オハギ#2の更新日です。初心忘れるべからずです。キメようぜ! #njslyr
— 余湖裕輝 (@YOGOYUKI) 2016年8月7日
ニンジャスレイヤーとは「サイバーパンク・ニンジャアクションノベル」いわゆる能力者系のストーリーで、主人公が反則的に強く、『ニンジャ』と呼ばれる超人がはびこるネオサイタマで、強大な悪をバタバタと倒していく痛快な展開が特徴です。
ニンジャスレイヤーは文学作品です。 ですが、他の小説とは決定的に異なる点がひとつあります。それは Twitter上で連載されている という点です。
(ニンジャスレイヤーは後に物理書籍が出版され、マンガやアニメ化もされています。またTwitter連載版がオリジナルというわけでもなく、原典として翻訳前の英語版が存在します。ですが、本稿では日本における展開の起点となるTwitter連載版にフォーカスを当てます)
2016年の振り返りとして、この作品が一体どういう魅力を持っているのか、自分の考えを記します。
ニンジャスレイヤーという作品の特徴
この作品には、普通に読むだけでは拾い切るのが困難なほど膨大な登場人物や複雑な伏線が貼られていたり、情報工学や神話など無駄に専門性の高い元ネタが含まれています。 過去に本ブログでも指摘しました。
また、どれだけシリアスなシーンでもギャグを忘れない、ツッコミどころの多さもあります。 この小説のネタ要素は「ステレオタイプの日本観」を由来にした世界設定に依るものが多く、そういった光景が登場人物にとってはすべて当たり前なのか、劇中にツッコミ役が誰一人としていないのも特徴です。
枯葉のように痩せた老人は、拳を固く握り、しっかりと大地を踏みしめて、火の粉の中に立っていた。額には三角の布が当てられている。死を覚悟した者の出で立ちであった。「センセイ」「クスリが効いたぞ、感謝する、『ニンジャスレイヤー』!」「センセイー!」
— ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) 2010年7月27日
主人公のピンチに、病み上がりの師匠が決死の覚悟で駆けつけるという熱いシーン。 額に三角の布を当て、死を覚悟した出で立ち...「死んどるがな!」と突っ込まざるを得ません。
さて、ここまでなら"すこし狂った文学作品"で終わってしまいます。
Twitter上で連載されるニンジャスレイヤー
ニンジャスレイヤーは、Twitter上で連載されています。
上記特徴を持つTwitterと、先程の特徴がマッチします。 複雑な伏線や専門的な設定は"ヘッズ"と呼ばれるファンによって解析され、解説や感想がTwitter実況タグに流れてきます。 ギャグが多い展開になると実況タグがツッコミで盛り上がり、Twitterのトレンドに入ったりします。
みんなで一緒にツッコみながら読む小説が、今まで他にあったでしょうか。私は知りません。
ファンとの交流イベント
ニンジャスレイヤーは公式で二次創作を奨励しており、二次創作用の専用ハッシュタグを切ってイラストコンテストのような事をしていたりします。 他にはTwitterのリプライ機能を使ったインタビューや、人気投票も行っています。 いずれも雑誌の読者コーナーのようなノリですが、これらがTwitter上で作品連載とともに、シームレスに、リアルタイムで行われるのも特徴的です。
特に、これら日常的な告知自体も手が込んでおり、その胡乱なアナウンスが数々の迷言を生み、本編とともに話題になったりします。
◆ブロゴ更新です◆ 最新VRゲーム「NINJA SLAYER GO」の遊び方 - ニンジャスレイヤー公式ファンサイト:ネオサイタマ電脳IRC空間 https://t.co/W7lgYgnpbk pic.twitter.com/clx0lo8kzq
— ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) 2016年7月19日
また、他にもTwitterの機能を使った特殊な演出として、トレンド入りのエネルギーで戦うニンジャの登場や、複数アカウントによる複数視点での同時連載、投票機能で次の展開を決めるなどする事も稀にあります。
ニンジャスレイヤーは唯一無二の存在なのか
Twitterは小説を投稿するSNSではありません。 ですが様々な要素が組み合わさることで、ニンジャスレイヤーという 文学作品を利用したエンターテイメント をTwitter上に実現しています。 これはfacebookやInstagram等ほかのSNSでは実現しなかったでしょうし、小説投稿サイトや専用のホームページを作ってもここまで面白くはならなかったと思います。
唯一近いのは「動画の任意箇所にコメントを付けられる」という特徴を持つ ニコニコ動画 だと思います。 ですが文章の投稿に適していないこと、引用性やハッシュタグの存在など、Twitterと比べると小説を投稿するには厳しい点が多いです。
一方で、平日昼間から深夜に及ぶ事もある連載をリアルタイムで追わないと実況の熱気を再現するのが難しいTwitterに対して、ニコニコ動画はいつでも頭から再生することで順番にコメントを流すことができる利点もあります。 (そのためアニメ化には期待していたのですが...)
まとめ
ニンジャスレイヤーとは、小説に「実況」「引用性」など独自の要素を加える事で完成した、新しいエンターテイメントの形だと思っています。