ついに作曲もオープンな時代へ!楽譜SNS「flat.io」とfinaleで楽譜を公開してみた
先日、楽譜の共有をテーマとしたSNS「Flat.io」のベータ版が公開されました。
何ができるかは上記の記事に詳しい(というかそれ以外に日本語の情報が無い)です。
楽譜を共有しながら作成するというと、ソフトウェアの世界に生きている私はソーシャル・コーディング(GitHub)に通じる物を感じます。 ソフトウェアの世界に比べてライセンスで凝り固まっている印象を受ける音楽界ですが、このようなサービスによって音楽との新しい付き合い方が広まってくると、時代も変わっていくのではないかと思います。
それではこのFlat.ioを使って、実際に楽譜をインターネットに公開してみましょう。
公開した楽譜の著作権について
当方英語に弱いのでよく分かりませんが、Flat.ioには楽譜公開時にライセンスを選択する箇所が特にありませんでした。 公開した楽譜はすべてパブリックドメイン扱い(著作権放棄状態)になると考えた方がいいと思います。
楽譜の共有を目的としたサイトなので当たり前なのかもしれませんが、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス程度は選択したいですね。
追記
本記事を公開したのち、畏れ多くも Flat.ioの公式Twitterから リプライが届きました。
@s2terminal Flatについてのブログを書いて頂き、どうもありがとうございます。数週間以内に、全ての楽譜の著作権を含む、メタデータの追加を選んで頂けるようになる予定です。ご期待に添えるよう、改良を重ねてまいりますので、これからもFlatをよろしくお願い致します。^VG
— Flat (@flat_io) 2015, 8月 21
どうやら楽譜に著作権情報などのメタデータ(おそらく作曲者・作詞者などの情報でしょう)を付与できるようになるようです。 まだベータ版なので、このあたりは順番に実装ですね。
このブログを読まれた上で、丁寧な日本語でリプライを頂きました。 現在サービスとして日本語対応はしていませんが、将来的には日本語のサポートも受けられるかもしれませんね。
楽譜を作成する
Flat.ioはWebブラウザ上で楽譜を直接編集することが出来ます。 このWebブラウザ上のエディタもかなり頑張っているのですが、それでもクライアントアプリに勝るほど使い勝手が良いとはいえません。
そのため今回は、Windows/Macで無料で使える楽譜エディタ「finale NotePad 2012」を使って楽譜を作成し、Flat.ioにアップロードしてみましょう。 (MusicXML形式での保存に対応しているエディタならば何でも良いと思います)
finale等のソフトウェアで楽譜を作成し、細かな修正はWeb上で行うのが良いと思います。
(なお当方finale PrintMusic 2011を持っているのですが、久々に起動してみたらMac OSX Yosemiteに対応していなかったため、結局無料版であるNotePad 2012を使うことになりました…)
今回はデモとして、パブリックドメインの楽曲『Amazing Grace』の楽譜を入手し、打ち込んでみます。
アメイジング・グレイス (Amazing Grace) 声楽、ソプラノ、アルト、テナー、バス - 楽譜 - カントリーアン, 無料楽譜
Finaleの使い方は割愛します。
楽譜の公開
楽譜ができたら「MusicXML」形式でエクスポートします。
Flat.ioでは、MusicXML形式とMIDI形式のファイルをインポートして楽譜を作成できます。 ですがMIDI形式は楽譜がきれいに再現されませんでした(当たり前ですが…)。
一方、MusicXML形式でインポートすることで、finaleで作った物に近いきれいな楽譜を取り込むことができました。
エクスポートしたらFlat.ioにアクセスし、ログインします。
「Import an existing score」から先ほどのXMLファイルをインポートします。
「Import」ボタンを押してしばらく待てば完成です。
簡単に楽譜を公開することが出来ました。 ここからWebブラウザ上で楽譜を編集したりできます。
楽譜のシェア
「Share」を押すことで共有リンクを発行できます。 埋め込み(Embed)用のコードも作成できます。
↓埋め込んでみた結果です。
まとめ
Flat.ioはまだベータ版のようですが、きれいな楽譜を公開し共有できました。
一方で、スマホやタブレット等では上手く動かなかったりします。 これがタブレットで使えるようになれば、紙の楽譜を持ち歩くことなく楽譜の配布や演奏がすぐに行えるようになるので楽しみです。 今後に期待ですね。
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