ドンキーコングを作ったギークなプログラマ達の肩書き
私はエンジニアなのですが、いつかはもっと格好良い肩書きを名乗ってみたいと思いました。 ギークになれば「シニア・プログラマ」みたいに格好良い肩書きが付くと思います。 しかし世の中のギークにはどういった肩書きがあるのでしょうか。
格好良い作品を作ったギークな人たちは格好良い肩書きを持っているに違いないと思い、スーパードンキーコングシリーズのプログラマの肩書きを調べてみました。
スーパードンキーコング
クレジット | 人数 |
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HEAD PROGRAMMER | 1人 |
TECHNICAL PROGRAMMER | 1人 |
ADDITIONAL PROGRAMMING | 1人 |
ヘッド・プログラマ と テクニカル・プログラマ がいるみたいですが、その間で アディショナル・プログラミング もいて、誰がどういった立ち位置なのかは釈然としません。 当時としては画期的なレベルのグラフィックで衝撃を与えた本作ですが、プログラマは肩書き付きのギーク3人で開発しており、普通のプログラマはいないようです。
なお本作に限らず、レア社のシリーズはプログラマをスタッフロールの最初に配置するようです。
スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー
クレジット | 人数 |
---|---|
HEAD PROGRAMMER | 1人 |
ASSISTANT HEAD PROGRAMMER | 1人 |
TECHNICAL PROGRAMMER | 1人 |
PROGRAMMER | 1人 |
前作でアディショナル・プログラミングだった方が アシスタント・ヘッド・プログラマ に変わりました。昇進でしょうか。 テクニカル・プログラマは前作から据え置きで、普通のプログラマが追加されました。
前作からあまりプログラム的に変わったところは無さそうに見える作品なのですが、プログラマは3人から4人チームに増えていました。
スーパードンキーコング3 謎のクレミス島
クレジット | 人数 |
---|---|
HEAD PROGRAMMER | 1人 |
PROGRAMMERS | 2人 |
TECHNICAL PROGRAMMER | 1人 |
ヘッド・プログラマ1人なのは変わらないのですが、前作のアシスタント・ヘッド・プログラマだった方がヘッド・プログラマになっています。 彼はこの3作で出世したようです。 代わりに普通のプログラマがさらに1人増員されました。
スーパーファミコンのシリーズはいずれも3~4人のプログラマのチームで開発されたようです。 それも普通のプログラマのほうが少なく肩書きが付いたプログラマが多いので、ギーク達による少数精鋭のスペシャルチームのような印象を受けます。
ドンキーコング64
クレジット | 人数 |
---|---|
DEVELOPMENT TEAM | 16人 |
なぜかスタッフが 開発チーム というクレジットでまとめられてしまっており、プログラマもグラフィッカーもコンポーザーも区別がつかなくなってしまっております。 残念ながら、プログラマの格好良い肩書きは見られませんでした。
書くことがないのでひとつ小ネタを。 DEVELOPMENT TEAMにクレジットされているGrant Kirkhope氏は「バンジョーとカズーイの大冒険」や「キングダムズ オブ アマラー レコニング」「Civilization Beyond Earth」などを担当した有名な作曲家ですが、本作ドンキーコング64では作曲と同時に ドンキーコングの声 も担当しているそうです。オーバナーナー
ドンキーコングリターンズ
クレジット | 人数 |
---|---|
ENGINEERING DIRECTOR | 1人 |
SENIOR ENGINEERING | 4人 |
ENGINEERING | 10人 |
ここから時代は一気に飛んで、いままでシリーズの開発を担当していたレア社はマイクロソフト傘下となり、代わってレトロスタジオ社が開発したシリーズになります。
本作で シニア・エンジニア という肩書きが初めて出ました。 だいたいエンジニア2-3人に1人シニアが付いて、シニア4人を エンジニアリング・ディレクター がまとめる、という組織構造でしょうか。 全部で15人と、スーパーファミコン時代から比べるとずいぶん大きなチームになりました。
なおレトロスタジオ社はレア社とは逆に、エンジニアリングチームをスタッフロールの最後の方に配置しています。
ドンキーコングトロピカルフリーズ
会社 | クレジット | 人数 |
---|---|---|
Retro Studios | VICE PRESIDENT OF ENGINEERING & TECHNOLOGY | 1人 |
Retro Studios | LEAD ENGINEERING | 1人 |
Retro Studios | SENIOR ENGINEERING | 2人 |
Retro Studios | ENGINEERING | 16人 |
Retro Studios | CONTRACT ENGINEERING | 2人 |
Monster Games | ENGINEERING LEAD | 1人 |
Monster Games | ENGINEERING | 5人 |
前作3Dリメイク(ドンキーコングリターンズ3D、モンスターゲームズ社が開発担当)したときからの縁でしょうか、レトロスタジオ社とモンスターゲームズ社が協力して開発しているようです。
リード・エンジニア と シニア・エンジニア が登場し、立ち位置の違いがよく分かりません。 さらにモンスターゲームズ社には エンジニアリング・リード という役職もいます。微妙なニュアンスの違いがあるのでしょうか。
レトロスタジオ社の前作エンジニアリング・ディレクターが ヴァイス・プレジデント・オブ・エンジニアリング・アンド・テクノロジー(VP of E&T) という最高に格好良い感じの役職名になっていました。こういうのを待っていました。
VP of E&Tは、直訳すると「技術開発統括副社長」のような感じになってしまいCTO(最高技術責任者)との違いがよく分かりませんが、VP of E&TのCTOとの違いについては下記記事に説明がありました。
tech venture business » 役職の謎:CTO vs. VP of Engineering
以下引用:
CTOは企業の技術面におけるビジョナリーであり、スーパーギークであり、自社の運命を握る技術(場合によっては製品)のロードマップを描く人です。一方、VP of Engineeringは現実と鑑みてそのビジョンを実行に移すことを率いる部門のマネージャーで、ギークである必要は必ずしもありません。
VP of E&T、名前は格好良いのですが、CTOに比してあまりギークな感じではないようです。
結論
映画「スティーブ・ジョブズ」2作を連続で観た
「スティーブ・ジョブズ」の名を関する伝記映画は2016年現在ふたつあるのですが、連続で観てみました。
なおスティーブ・ジョブズに関しての前提知識は10年くらい前の加藤浩次のがっちりマンデーで観たぐらいしか無いのですが、大学を中退してATARIに就職してインドに行ったこと、Appleを一度退職してピクサーやNeXTを作ったこと、そして経営破綻寸前のAppleに復帰するタイミングでマイクロソフトが多額の出資をしたことぐらいは知っています。
ふたつの映画「スティーブ・ジョブズ」
日本公開 | 2013年11月1日 | 2016年2月12日 |
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邦題 | スティーブ・ジョブズ | スティーブ・ジョブズ |
原題 | Jobs | Steve Jobs |
監督 | ジョシュア・マイケル・スターン | ダニー・ボイル |
主演 | アシュトン・カッチャー | マイケル・ファスベンダー |
原題はかろうじて異なるのですが邦題が全く一緒なので非常に紛らわしいのです。。。
なお、観たのはいずれもAmazonビデオの字幕版です。
2013年版「スティーブ・ジョブズ」
https://www.amazon.co.jp/dp/B01FT49RR8
年代 | 劇中で描写される内容 |
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2001 | iPod発表会 |
1974 | 大学時代 |
1976 | ATARI社時代、Apple社 創業 |
1977 | AppleII発表会 |
1980 | Apple社 上場 |
1982 | Macintoshプロジェクトへ異動 |
1984 | Macintosh発表、ウォズ退職 |
1993 | スカリー退職、NeXT買収 |
1996 | ジョブズApple復帰 |
映画としては、大まかにApple創業の70年台、LISAとMacintoshに携わった80年台、そしてAppleに戻ってくる90年台の3つに分けて、追っていく形です。
しかしAppleやジョブズの来歴について前提知識が多いので、そのへん調べたことがある人じゃないと話についていけないと思います。 特に「Apple退職→ピクサー、NeXT→Apple復帰」の流れは一切語られずに、Macintosh不調でジョブズが退職しそうな状態からどうともハッキリしないまま話の流れをぶった切っていきなりジョブズがAppleのCEOに誘われる展開になるので、背景を知らないと意味不明じゃないでしょうか。 時代を一気にすっ飛ばして、話の方向性もジョブズが不利な状態から180度逆になります。
映画の内容は、ジョブズがApple退社するまでを軸に物語の大半を置いています。山場にジョブズ退職を持ってくるため、それまでジョブズの人間としての弱さ、負の側面、よりハッキリ言うと、劇中の言葉をそのまま使って「クズ(Asshole)」である所に、集中してフォーカスが当てられます。
そしてAppleに復帰した後の映画終盤は、Appleの最初の出資者でありジョブズの味方だったマイクを会社から追い出して終わり。え、そこで終わるの?って感じです。 この映画だけ見ると、ジョブズの何が偉大だったのかわからない。まるで、「クズ」であることがこの映画のテーマかのように見えてしまいます。 序盤iPodが一瞬だけ登場するだけ、iPhoneもMacbookAirもiPadも劇中には一切出てこないので、そんなジョブズの偉大さは知っている前提で、という話なんだと思います。 ジョブズは常人に理解し得ないタイプの人間である、ということは伝わってきます。
あと、序盤AppleIIを作っていたあたりの時代を丁寧に描いており、そのぶん後半ウォズニアックが退職するときの「あのときは良かった」という言葉に重みが出てきます。 この映画の最後は「Appleが時価総額で1位になった」と締められますが、そんな大企業も創業時には人のために良いものを手で作って届けていた、そんな時代を回顧するのが目的の映画だったのかもしれません。
字幕版を見たんですが、英語はあんまり分からないけど、ガレージで創業したAppleに対してジョブズが自信と少しの自嘲を込めて「Welcome to Apple Computer」と言うところを、ただ「ようこそ」と訳していたり、翻訳もあまり良くない気がします。
2016年版「スティーブ・ジョブズ」
http://stevejobsmovie.jp/stevejobsmovie.jp
https://www.amazon.co.jp/dp/B01FT49RR8
年代 | 劇中で描写される内容 |
---|---|
1984 | Apple社 Macintosh発表会 |
1988 | NeXT社 キューブ発表会 |
1998 | Apple社 iMac発表会 |
こちらの映画は、ジョブズが関わってきた3つの製品の発表会の直前が舞台になっており、その間の出来事は回想や会話の中で語られるのみという形式になります。 3つの時代間の補完はちゃんとしているのですがその前後は語られないため、クリスアンの妊娠の認知の件や、ウォズニアックがAppleで出した成果についてなど知らないと、物語に共感できないと思います。(幸い、それらは2013年版で直接的に描写されています) そうでなくても展開が早く、かつ回想シーンが多い関係で物語が時系列順に語られないため、頭を整理しながら観ないと理解が追いつきません。結局、前提知識があったほうが良いのは変わりません。
内容としては製品の発表会に的を絞っているだけあり、ジョブズが作ってきた製品やプレゼンへの強烈なこだわりが描写された作品になっています。
- 直前のリハで、本番において20秒だけ使う「Hello」と喋るプログラムがエラーで動かなくなってしまった→「修正しろ。 じゃないと発表会は中止 」
- 演出で照明を落とすとき非常灯も消したいが、消防法の関係で無理→「関係ない。罰金なら払うし、 観客が火災で死んでもあの世で満足するだろう 」
- 発表直前に 、胸ポケットからフロッピーを取り出したいとひらめいた。午前8時、店は開いてない→「 会場の誰かとシャツを交換して手に入れて来い 」
このような無理難題を、次々とまわりのスタッフに押し付けていきます。 本当にこんなことを言っていたのかどうか謎なのですが、それぐらい彼の独特な感性と完璧主義が強調されている作品です。
これらを象徴するのが、ジョブズとウォズニアックがAppleIIを作っているときの回想シーンでのやり取り
ウォズニアック「コンピュータは芸術じゃない」
ジョブズ「くたばれ (原文は f*ck you )」
私は、ジョブズは最高の芸術家なのではないかと思っているのですが、この映画ではそれを上記のセリフでズバリ言い表しています。
ジョブズの天才的な一面と、人間としての弱みを対比する形を取っており、最後も一応きれいにまとまっております。 個人的には2016年版のほうが好みでしたが、それは事前に2013年版を観ていなければ楽しめなかったと思います。しかし2013年版もある程度の前提知識が必要...
まとめ
ふたつの映画を連続で観てみて、特に2013年版で描写が薄いジョブズの功績についてと、2016年版で描写が無いApple創業時の物語についてが互いに補完されており、噛み合っている印象を受けました。
ジョブズは芸術家だと思います。 歴史に名を残した芸術家の多くは人間性に問題を抱えていたようなエピソードを持っているのですが、ジョブズも同じようにコンピュータへの輝かしい功績の裏に負の一面を抱えており、ふたつの映画ではそれらを重点的に描写していました。
また、彼の天才的な感性や完璧主義などはマーケティングやエンジニアと噛み合わないことが多く、その異質さこそが彼の強みであり、普通の商売人や経営者とは一線を画する「芸術家」の名が最もふさわしいと私は思いました。 「一緒に仕事したいとは思わないけど、世界を変えた紛うことなき偉人」だと改めて思いました。
インドへの長旅やピクサー設立など、彼の芸術家としての側面が強く現れそうなエピソードについて、いずれの映画でも一切触れられていなかったのは残念です。 また2つとも90年代後半でエンディングを迎えており、iPodからiPhoneやMacbook発売、スタンフォード大でのスピーチなど晩年の輝かしい功績や闘病生活についての描写も無かったため、90年代生まれのゆとり世代である私にとっては昔話のような印象を受けました。 ジョブズがどうしてこのような類まれな感性をもって世界を変えることができたのかの答えは、この映画の先にあると思いました。
おわりに
岩田聡の映画も作って欲しいです。
紙封筒をノートPCカバーとして使う
紙製の小包用封筒「パースルバッグ」をノートPCのカバーとして使っています。
- メリット
- 軽量
- 安価
- デメリット
- 寿命が短い
- 耐水性がない
一般的なノートPCカバーは、高価だったり、せっかくのノートPCの可搬性を損なうような重量があったりします。 そのぶんデザインや機能性に優れたケースも多く、それはそれで選ぶ価値があると思います。
一方で紙製の封筒は非常に安価で軽量です。 ある程度の傷からは守ってくれますが、なにせ紙製なので繰り返し使っているとガタが来ます。自分は1年弱で買い替えました。 また、ノートPCの天敵である水分への耐性も一切ありません。 ハードな用途には耐えられませんが、日常的な持ち運びには十分耐えうるスペックは有していると思います。
世の中にはいろいろなノートPCカバーが存在していますが、そもそもAppleの新製品発表会でジョブズが封筒からPCを取り出したのがMacbookAirの始まりだったことを考えると、封筒を薄型PCケースとして使うのは自然な流れだといえます。
パースルバッグについて
パースルバッグはクッションが入った紙製小包用封筒で、1つ200円前後で手に入ります。 一般的な文房具屋、ロフトや東急ハンズなどの文房具売場で購入できます。 もちろんAmazon等のECサイトでも取り扱っています。
ヨドバシカメラの文具売場でも取り扱っていたので、PC周辺機器と一緒に調達できます。
サイズ感のメモ
サイズをいつも忘れるので、個人用にメモしておきます。
パースルバッグ No.4
https://www.amazon.co.jp/dp/B003SJ3CZU
- 外寸: 250x340mm
- 内寸: 240x325mm
Apple MacbookAir 13inch(227x325x3-17mm)のような 薄型13インチノート と、Acer Chromebook CB3-111(202x299x18.65mm)のような 一般的11インチノート に適したサイズです。
数値だけ見るとMBAが入るかどうかは怪しいのですが、実際にやってみるとピッタリはまります。
パースルバッグ No.5
https://www.amazon.co.jp/dp/B003SASAY2
- 外寸: 275x380mm
- 内寸: 265x365mm
こちらは少し大きめのサイズで、Apple MacbookPro 13inch(219x314x18mm)や Microsoft SurfaceBook (232x312x13.0-22.8mm) のような、 13インチの一般的ノートPC がすっぽり入るくらいのサイズです。
Office365 Soloを個人で契約する
Office365を購入してみました。 今までパッケージ版Officeを使っていたのですが、Office365との違いを見てみたいと思います。
マルチデバイスサポート
パッケージ版OfficeはPC2台にしかインストールできません。 (原則1台でデスクトップPCの補助をするノートPCのためならば1台追加してもよい、みたいな規約があった気がします) さらに、Windows版かMac版かは二者択一です。
https://products.office.com/ja-jp/office-365-solo
Office365ならば 複数のPC・スマホでOfficeを利用できます 。
具体的には
2 台の PC または Mac、2 台のタブレット (iPad® および Android タブレットを含む)、および 2 台のスマートフォンで、Office を活用できます とあります。
なおスマートフォン向けにはすでに無料のOfficeアプリが提供されていますが、これらは無料で使える機能制限版です。 Office365を購入することによって、一部機能が解禁されます。
https://products.office.com/ja-jp/office-resources
…本当に一部機能な気がしますが、Excelのピボットテーブルとグラフサポートは大きいと思います。 マクロ解禁とかできればアツいんですけど。
Officeスイート
Office365 Soloでは、 Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Publisher、Accessが使えます 。
パッケージと比べるとOffice Professionalに相当するようです。 PublisherとAccessが使えるのが大きいのですが、私にとってそう頻繁に使うものでもない(Publisherは起動したこともない)ので恩恵はよく分かりません。
OneNoteは無料化されている気がしますが気にしてはいけません。
デバイス ライフタイム アップグレード
Office365は、 常に最新版のOfficeにアップグレードすることができます 。
今回は個人利用なので互換性などを気にする機会はあまり無く、Windows/Mac共にためらいなく最新のOSにしているため、Officeを最新版にアップグレードするデメリットはほとんどありません。
逆に、企業利用だと後方互換等が障壁となってかえって最新版にアップグレードしづらいと、この恩恵を受けづらいかもしれません。
OneDrive追加ストレージ
Office365には 1 TB のオンライン ストレージ (OneDrive)が付いてきます 。 ちょうど無料枠がギリギリで困っていた所だったので助かります。
特にOneNoteを活用する場合、OneDriveはOneNoteの保存先として利用することになるため容量が多いに越したことはありません。 Evernoteからの移行を考えている場合、Office365 Soloを使っているならばOneNoteは移行先として有力です。 (逆に、単純にOneNoteのみ使うならばOffice365はEvernoteプレミアムに比べると割高です)
Skypeの無料通話も付いてくるようですが使わないのでよく分かりません。
個人的にはMicrosoft Azureの無料枠とかVisual Studioの優待とか欲しいのですが、Office365は開発者用のサービスではないので無いようです。 仕方ないですね。
値段
これだけ付いて 月額1,274円 。2年間使って約3万円です。(年間契約で割引あり)
パッケージ版のOffice Personal(Word、Excelのみ)が29,800円、Office Home and Business(PowerPoint、OneNoteつき)が34,800円なので、 2年以上使い続けるとパッケージ版の方が安くなってきます 。 ただしProfessional版(Access、Publisherつき)は64,584円なので、これと比べると金額差はかなり大きいです。
http://www.amazon.co.jp/dp/B015SMO2BM
パッケージ版はマルチデバイスをサポートしておらず、Windows版とMac版は別々に買う必要があります。iOS/Androidのパッケージ版は無いようです。 また、新しいバージョンのOfficeに買い換えたい場合はパッケージ版も買い直しになります。
これらのメリットを鑑みたうえで、パッケージ版かOffice365かを選択しましょう。 個人的にはWindowsとMac両方使える事が決定打となりOffice365を選択しました。
Office 365 Businessという選択肢
Office365にはエンタープライズな用途向きのプランもあり、個人事業主という事にすることで個人でも契約することができるそうです。
5台までのマルチデバイスサポートなどが受けられるようです。
購入する
マイクロソフト公式ページからOffice365の購入方法はよく分からなかったので、Windows Storeから無料版のOfficeを開いて、編集する時の導線から購入しました。
ニンジャスレイヤーと2038年問題
ニンジャスレイヤー第3部最終章の予告が行われました。 それまでのエピソードからも日付を示唆する文言が度々含まれていましたが、最終章が 2038年1月18日 という日付になることが明言されました。
アガメムノンは2038年1月18日深夜に月面メガトリイ基地でアルゴス・システムのリブートを行う。インターネット再定義のためにアルゴスのタイピング速度が一時的に減じるこの夜だけが、ハッキングで攻撃しうる唯一のチャンスである。アマクダリが再定義を完了させれば、Y2K規模の災厄が再び地表を覆うだろう。その後、アマクダリが全てを支配するのだ。
2038年1月18日深夜にY2Kと同等の災厄が起きる とあります。
これは、「Y2K(2000年問題)」と「2038年問題」という、現実に起こりうる2つの年問題が元ネタになっています。
2000年問題
西暦の下2桁を使って年月を判定するシステムを組んでいると、1999年から2000年になった瞬間に、コンピュータは2000年を1900年を勘違いしてしまい、誤動作してしまうのではないか?という問題です。Y2Kとも呼ばれます。
実際の年月 | データ | コンピュータの認識 |
---|---|---|
1999年11月 | 9911 | 1999年11月 |
1999年12月 | 9912 | 1999年12月 |
2000年1月 | 0001 | 1900年01月 |
くわしくは:2000年問題 - Wikipedia
ニンジャスレイヤーにおける2000年問題
「Y2K……遠い昔の話だな。学校で教わったよ。西暦二千年を迎えた瞬間、世界中でUNIXが多数爆発し、優秀なUNIX技術者が大勢死んだ…」トウメはそう返すのが精一杯だった。「何が起こったのかすら解らないまま、人類はIP資源枯渇に陥り、電子戦争へと突き進んだのよ」ナンシーが返す。 7
— NINJA SLAYER (@NJSLYR) 2013年7月6日
(ニンジャスレイヤー第3部「ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」より)
かつて、化石資源枯渇に先立って旧世紀の世界を襲ったのは、Y2Kとそれに伴うIP枯渇問題であった。それから暫くして、限られたIPと違法プロキシサーバ基地を巡り、暗黒メガコーポ群主導による論理物理両面での電子戦争が勃発した。彼女が飛翔している電子領域はいわば、旧世紀の残骸なのだ。 3
— NINJA SLAYER (@NJSLYR) 2012年7月21日
限られたIPと違法プロキシサーバ基地を巡り、暗黒メガコーポ群主導による論理物理両面での電子戦争が勃発した
(ニンジャスレイヤー第2部「キョート・ヘル・オン・アース」より)
ニンジャスレイヤーは近未来の日本を舞台としており、Y2Kは過去の出来事として語られます。 しかし、現実の世界とは異なる点があります。
- ニンジャスレイヤーの世界では、2000年時点でIPv4枯渇問題が解決されていないようで、 固定IPを持つプロキシサーバ等は貴重な資源である
- ニンジャスレイヤーにおけるコンピュータは、バッファオーバーフロー等の不具合が起きると 物理的に爆発する
そのため、以下のように現実世界における2000年問題とは大きく異なる結末を迎えます。
この戦争の影響で日本は電子的に鎖国、独自の発展を遂げることになります。
何度読んでもこの設定を考えた作者は天才だと思います。
2038年問題
2000年問題と似たような問題なのですが、エンジニア以外には理解しづらく、影響範囲が大きいのが、この2038年問題です。
UNIXでは、UNIXTIMEというデータが広く使われています。 UNIXTIMEとは 1970年1月1日からの経過秒数で時刻を表したもの です。
たとえば、2016年6月14日23時30分10秒のUNIXTIMEは、「1465914610」となります。
$ ruby -e 'require "time";puts Time.parse("2016-06-14 23:30:10").to_i' 1465914610
現代のコンピュータは性能が良いので、とても大きな値を取り扱うことができます。 しかし過去のコンピュータでは、このUNIXTIMEを 符号付き32bit整数 で取り扱っていました。
この「符号付き32bit整数」というのは、約21億5千万が最大値となります。 21億5千万というのは大きな数字に見えますが、21億5千万秒は 約68年 です。
そのため、1970年1月1日から約21億5千万秒後、 2038年1月19日3時14分8秒以降、コンピュータが時刻を正しく扱うことができなくなる というのが、2038年問題です。
実際に、先ほどのUNIXTIMEを31桁2進数(符号付き32bit整数の仮数部)で表すと、以下のようになります。
$ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2016-06-14 23:30:10").to_i)' 1010111011000000001010011110010 $ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2038-01-19 12:14:06").to_i)' 1111111111111111111111111111110 $ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2038-01-19 12:14:07").to_i)' 1111111111111111111111111111111 $ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2038-01-19 12:14:08").to_i)' 10000000000000000000000000000000 $ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2038-01-19 12:14:09").to_i)' 10000000000000000000000000000001 $ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2038-01-19 12:14:10").to_i)' 10000000000000000000000000000010
12時14分8秒に桁があふれたのがわかると思います。 (グリニッジ標準時で午前3時14分8秒なので、日本時間では12時となる)
2038年問題自体は、現実世界でも待ち受けている、私たちが立ち向かわなければならない問題です。
くわしくは:2038年問題 - Wikipedia
ニンジャスレイヤーにおける2038年問題
「今から約3ヶ月後。2038年1月18日から19日にかけて。深夜、ウシミツアワー。満月。オールドオーボンの夜」エシオは声の平静を保ち、語った。「鷲の翼が開かれ、地球全土を覆います。その時、世界中のUNIXはオーバーフローを起こし、Y2Kにも比肩する爆発と災厄を引き起こすはずです」
— NINJA SLAYER (@NJSLYR) 2016年5月27日
(ニンジャスレイヤー第3部「スルー・ザ・ゴールデン・レーン」より)
すでに 2038年問題の起きるまさにそのタイミングで、Y2K規模の爆発が起こる であろう事が劇中で指摘されています。
しかしこれが2038年問題による脆弱性なのか、敵組織による何らかの策略により故意に引き起こされる物であるのかはハッキリしていません。
確実なのは UNIXが爆発する ということです。
ルートDNSサーバ
2038年問題について語られると同時に、以下の様なセリフも見られます。
ハッカー達の伝説によれば、ヒエラルキー最上位に位置する神秘的なUNIXサーバがかつて地球全土に13個存在し、幾つかが滅びたという。その残されたひとつがジグラットなのだ。「鷲の翼とアルゴスでインターネットを再統合し、再定義し、支配するのが彼らの狙いです。いかなる犠牲を払おうとも」
— NINJA SLAYER (@NJSLYR) 2016年5月27日
ヒエラルキー最上位に位置する神秘的なUNIXサーバがかつて地球全土に13個存在し、幾つかが滅びたという。その残されたひとつがジグラットなのだ
(ニンジャスレイヤー第3部「スルー・ザ・ゴールデン・レーン」より)
この「ヒエラルキー最上位に位置する神秘的なUNIXサーバ」とは、現実における ルートDNSサーバ が元ネタと思われます。 (ジグラットとはカスミガセキ・ジグラットのこと。ネオサイタマ市役所等を取り込んだ巨大建造物)
実際にルートDNSサーバというのは世界に13個のみ存在し、それを構成するうちのひとつは霞ヶ関から数kmの地点である東京大学にあるそうです。(※実際には地理冗長されているので、サーバ13個=13箇所ではないそうです)
ニンジャスレイヤー第3部の敵組織は、世界中のインターネットを支配するカギを握る何らかのサーバを持っており、2038年問題のタイミングを狙ってなんかするようです。
備えよう。