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映画「スティーブ・ジョブズ」2作を連続で観た

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スティーブ・ジョブズ」の名を関する伝記映画は2016年現在ふたつあるのですが、連続で観てみました。

なおスティーブ・ジョブズに関しての前提知識は10年くらい前の加藤浩次がっちりマンデーで観たぐらいしか無いのですが、大学を中退してATARIに就職してインドに行ったこと、Appleを一度退職してピクサーやNeXTを作ったこと、そして経営破綻寸前のAppleに復帰するタイミングでマイクロソフトが多額の出資をしたことぐらいは知っています。

ふたつの映画「スティーブ・ジョブズ

日本公開 2013年11月1日 2016年2月12日
邦題 スティーブ・ジョブズ スティーブ・ジョブズ
原題 Jobs Steve Jobs
監督 ジョシュア・マイケル・スターン ダニー・ボイル
主演 アシュトン・カッチャー マイケル・ファスベンダー

原題はかろうじて異なるのですが邦題が全く一緒なので非常に紛らわしいのです。。。

なお、観たのはいずれもAmazonビデオの字幕版です。

2013年版「スティーブ・ジョブズ

www.allcinema.net

https://www.amazon.co.jp/dp/B01FT49RR8

年代 劇中で描写される内容
2001 iPod発表会
1974 大学時代
1976 ATARI社時代、Apple社 創業
1977 AppleII発表会
1980 Apple社 上場
1982 Macintoshプロジェクトへ異動
1984 Macintosh発表、ウォズ退職
1993 スカリー退職、NeXT買収
1996 ジョブズApple復帰

映画としては、大まかにApple創業の70年台、LISAとMacintoshに携わった80年台、そしてAppleに戻ってくる90年台の3つに分けて、追っていく形です。

しかしAppleジョブズの来歴について前提知識が多いので、そのへん調べたことがある人じゃないと話についていけないと思います。 特に「Apple退職→ピクサー、NeXT→Apple復帰」の流れは一切語られずに、Macintosh不調でジョブズが退職しそうな状態からどうともハッキリしないまま話の流れをぶった切っていきなりジョブズAppleのCEOに誘われる展開になるので、背景を知らないと意味不明じゃないでしょうか。 時代を一気にすっ飛ばして、話の方向性もジョブズが不利な状態から180度逆になります。

映画の内容は、ジョブズApple退社するまでを軸に物語の大半を置いています。山場にジョブズ退職を持ってくるため、それまでジョブズの人間としての弱さ、負の側面、よりハッキリ言うと、劇中の言葉をそのまま使って「クズ(Asshole)」である所に、集中してフォーカスが当てられます。

そしてAppleに復帰した後の映画終盤は、Appleの最初の出資者でありジョブズの味方だったマイクを会社から追い出して終わり。え、そこで終わるの?って感じです。 この映画だけ見ると、ジョブズの何が偉大だったのかわからない。まるで、「クズ」であることがこの映画のテーマかのように見えてしまいます。 序盤iPodが一瞬だけ登場するだけ、iPhoneもMacbookAirもiPadも劇中には一切出てこないので、そんなジョブズの偉大さは知っている前提で、という話なんだと思います。 ジョブズは常人に理解し得ないタイプの人間である、ということは伝わってきます。

あと、序盤AppleIIを作っていたあたりの時代を丁寧に描いており、そのぶん後半ウォズニアックが退職するときの「あのときは良かった」という言葉に重みが出てきます。 この映画の最後は「Apple時価総額で1位になった」と締められますが、そんな大企業も創業時には人のために良いものを手で作って届けていた、そんな時代を回顧するのが目的の映画だったのかもしれません。

字幕版を見たんですが、英語はあんまり分からないけど、ガレージで創業したAppleに対してジョブズが自信と少しの自嘲を込めて「Welcome to Apple Computer」と言うところを、ただ「ようこそ」と訳していたり、翻訳もあまり良くない気がします。

2016年版「スティーブ・ジョブズ

http://stevejobsmovie.jp/stevejobsmovie.jp

https://www.amazon.co.jp/dp/B01FT49RR8

年代 劇中で描写される内容
1984 AppleMacintosh発表会
1988 NeXT社 キューブ発表会
1998 AppleiMac発表会

こちらの映画は、ジョブズが関わってきた3つの製品の発表会の直前が舞台になっており、その間の出来事は回想や会話の中で語られるのみという形式になります。 3つの時代間の補完はちゃんとしているのですがその前後は語られないため、クリスアンの妊娠の認知の件や、ウォズニアックがAppleで出した成果についてなど知らないと、物語に共感できないと思います。(幸い、それらは2013年版で直接的に描写されています) そうでなくても展開が早く、かつ回想シーンが多い関係で物語が時系列順に語られないため、頭を整理しながら観ないと理解が追いつきません。結局、前提知識があったほうが良いのは変わりません。

内容としては製品の発表会に的を絞っているだけあり、ジョブズが作ってきた製品やプレゼンへの強烈なこだわりが描写された作品になっています。

  • 直前のリハで、本番において20秒だけ使う「Hello」と喋るプログラムがエラーで動かなくなってしまった→「修正しろ。 じゃないと発表会は中止
  • 演出で照明を落とすとき非常灯も消したいが、消防法の関係で無理→「関係ない。罰金なら払うし、 観客が火災で死んでもあの世で満足するだろう
  • 発表直前に 、胸ポケットからフロッピーを取り出したいとひらめいた。午前8時、店は開いてない→「 会場の誰かとシャツを交換して手に入れて来い

このような無理難題を、次々とまわりのスタッフに押し付けていきます。 本当にこんなことを言っていたのかどうか謎なのですが、それぐらい彼の独特な感性と完璧主義が強調されている作品です。

これらを象徴するのが、ジョブズとウォズニアックがAppleIIを作っているときの回想シーンでのやり取り

ウォズニアック「コンピュータは芸術じゃない」
ジョブズ「くたばれ (原文は f*ck you )」

私は、ジョブズは最高の芸術家なのではないかと思っているのですが、この映画ではそれを上記のセリフでズバリ言い表しています。

ジョブズの天才的な一面と、人間としての弱みを対比する形を取っており、最後も一応きれいにまとまっております。 個人的には2016年版のほうが好みでしたが、それは事前に2013年版を観ていなければ楽しめなかったと思います。しかし2013年版もある程度の前提知識が必要...

まとめ

ふたつの映画を連続で観てみて、特に2013年版で描写が薄いジョブズの功績についてと、2016年版で描写が無いApple創業時の物語についてが互いに補完されており、噛み合っている印象を受けました。

ジョブズは芸術家だと思います。 歴史に名を残した芸術家の多くは人間性に問題を抱えていたようなエピソードを持っているのですが、ジョブズも同じようにコンピュータへの輝かしい功績の裏に負の一面を抱えており、ふたつの映画ではそれらを重点的に描写していました。

また、彼の天才的な感性や完璧主義などはマーケティングやエンジニアと噛み合わないことが多く、その異質さこそが彼の強みであり、普通の商売人や経営者とは一線を画する「芸術家」の名が最もふさわしいと私は思いました。 「一緒に仕事したいとは思わないけど、世界を変えた紛うことなき偉人」だと改めて思いました。

インドへの長旅やピクサー設立など、彼の芸術家としての側面が強く現れそうなエピソードについて、いずれの映画でも一切触れられていなかったのは残念です。 また2つとも90年代後半でエンディングを迎えており、iPodからiPhoneMacbook発売、スタンフォード大でのスピーチなど晩年の輝かしい功績や闘病生活についての描写も無かったため、90年代生まれのゆとり世代である私にとっては昔話のような印象を受けました。 ジョブズがどうしてこのような類まれな感性をもって世界を変えることができたのかの答えは、この映画の先にあると思いました。

おわりに

岩田聡の映画も作って欲しいです。

紙封筒をノートPCカバーとして使う

紙製の小包用封筒「パースルバッグ」をノートPCのカバーとして使っています。

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  • メリット
    • 軽量
    • 安価
  • デメリット
    • 寿命が短い
    • 耐水性がない

一般的なノートPCカバーは、高価だったり、せっかくのノートPCの可搬性を損なうような重量があったりします。 そのぶんデザインや機能性に優れたケースも多く、それはそれで選ぶ価値があると思います。

一方で紙製の封筒は非常に安価で軽量です。 ある程度の傷からは守ってくれますが、なにせ紙製なので繰り返し使っているとガタが来ます。自分は1年弱で買い替えました。 また、ノートPCの天敵である水分への耐性も一切ありません。 ハードな用途には耐えられませんが、日常的な持ち運びには十分耐えうるスペックは有していると思います。

世の中にはいろいろなノートPCカバーが存在していますが、そもそもAppleの新製品発表会でジョブズが封筒からPCを取り出したのがMacbookAirの始まりだったことを考えると、封筒を薄型PCケースとして使うのは自然な流れだといえます。

パースルバッグについて

パースルバッグはクッションが入った紙製小包用封筒で、1つ200円前後で手に入ります。 一般的な文房具屋、ロフトや東急ハンズなどの文房具売場で購入できます。 もちろんAmazon等のECサイトでも取り扱っています。

ヨドバシカメラの文具売場でも取り扱っていたので、PC周辺機器と一緒に調達できます。

サイズ感のメモ

サイズをいつも忘れるので、個人用にメモしておきます。

パースルバッグ No.4

https://www.amazon.co.jp/dp/B003SJ3CZU

  • 外寸: 250x340mm
  • 内寸: 240x325mm

Apple MacbookAir 13inch(227x325x3-17mm)のような 薄型13インチノート と、Acer Chromebook CB3-111(202x299x18.65mm)のような 一般的11インチノート に適したサイズです。

数値だけ見るとMBAが入るかどうかは怪しいのですが、実際にやってみるとピッタリはまります。

パースルバッグ No.5

https://www.amazon.co.jp/dp/B003SASAY2

  • 外寸: 275x380mm
  • 内寸: 265x365mm

こちらは少し大きめのサイズで、Apple MacbookPro 13inch(219x314x18mm)や Microsoft SurfaceBook (232x312x13.0-22.8mm) のような、 13インチの一般的ノートPC がすっぽり入るくらいのサイズです。

Office365 Soloを個人で契約する

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Office365を購入してみました。 今までパッケージ版Officeを使っていたのですが、Office365との違いを見てみたいと思います。

マルチデバイスサポート

パッケージ版OfficeはPC2台にしかインストールできません。 (原則1台でデスクトップPCの補助をするノートPCのためならば1台追加してもよい、みたいな規約があった気がします) さらに、Windows版かMac版かは二者択一です。

https://products.office.com/ja-jp/office-365-solo

Office365ならば 複数のPC・スマホでOfficeを利用できます

具体的には

2 台の PC または Mac、2 台のタブレット (iPad® および Android タブレットを含む)、および 2 台のスマートフォンで、Office を活用できます とあります。

なおスマートフォン向けにはすでに無料のOfficeアプリが提供されていますが、これらは無料で使える機能制限版です。 Office365を購入することによって、一部機能が解禁されます。

https://products.office.com/ja-jp/office-resources

…本当に一部機能な気がしますが、Excelのピボットテーブルとグラフサポートは大きいと思います。 マクロ解禁とかできればアツいんですけど。

Officeスイート

Office365 Soloでは、 Word、ExcelPowerPointOneNoteOutlook、Publisher、Accessが使えます

パッケージと比べるとOffice Professionalに相当するようです。 PublisherとAccessが使えるのが大きいのですが、私にとってそう頻繁に使うものでもない(Publisherは起動したこともない)ので恩恵はよく分かりません。

OneNoteは無料化されている気がしますが気にしてはいけません。

バイス ライフタイム アップグレード

Office365は、 常に最新版のOfficeにアップグレードすることができます

今回は個人利用なので互換性などを気にする機会はあまり無く、Windows/Mac共にためらいなく最新のOSにしているため、Officeを最新版にアップグレードするデメリットはほとんどありません。

逆に、企業利用だと後方互換等が障壁となってかえって最新版にアップグレードしづらいと、この恩恵を受けづらいかもしれません。

OneDrive追加ストレージ

Office365には 1 TB のオンライン ストレージ (OneDrive)が付いてきます 。 ちょうど無料枠がギリギリで困っていた所だったので助かります。

特にOneNoteを活用する場合、OneDriveはOneNoteの保存先として利用することになるため容量が多いに越したことはありません。 Evernoteからの移行を考えている場合、Office365 Soloを使っているならばOneNoteは移行先として有力です。 (逆に、単純にOneNoteのみ使うならばOffice365はEvernoteプレミアムに比べると割高です)

Skypeの無料通話も付いてくるようですが使わないのでよく分かりません。

個人的にはMicrosoft Azureの無料枠とかVisual Studioの優待とか欲しいのですが、Office365は開発者用のサービスではないので無いようです。 仕方ないですね。

値段

これだけ付いて 月額1,274円 。2年間使って約3万円です。(年間契約で割引あり)

パッケージ版のOffice Personal(Word、Excelのみ)が29,800円、Office Home and Business(PowerPointOneNoteつき)が34,800円なので、 2年以上使い続けるとパッケージ版の方が安くなってきます 。 ただしProfessional版(Access、Publisherつき)は64,584円なので、これと比べると金額差はかなり大きいです。

http://www.amazon.co.jp/dp/B015SMO2BM

パッケージ版はマルチデバイスをサポートしておらず、Windows版とMac版は別々に買う必要があります。iOS/Androidのパッケージ版は無いようです。 また、新しいバージョンのOfficeに買い換えたい場合はパッケージ版も買い直しになります。

これらのメリットを鑑みたうえで、パッケージ版かOffice365かを選択しましょう。 個人的にはWindowsMac両方使える事が決定打となりOffice365を選択しました。

Office 365 Businessという選択肢

Office365にはエンタープライズな用途向きのプランもあり、個人事業主という事にすることで個人でも契約することができるそうです。

5台までのマルチデバイスサポートなどが受けられるようです。

購入する

マイクロソフト公式ページからOffice365の購入方法はよく分からなかったので、Windows Storeから無料版のOfficeを開いて、編集する時の導線から購入しました。

ニンジャスレイヤーと2038年問題

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ニンジャスレイヤー第3部最終章の予告が行われました。 それまでのエピソードからも日付を示唆する文言が度々含まれていましたが、最終章が 2038年1月18日 という日付になることが明言されました。

ninjaheads.hatenablog.jp

アガメムノンは2038年1月18日深夜に月面メガトリイ基地でアルゴス・システムのリブートを行う。インターネット再定義のためにアルゴスのタイピング速度が一時的に減じるこの夜だけが、ハッキングで攻撃しうる唯一のチャンスである。アマクダリが再定義を完了させれば、Y2K規模の災厄が再び地表を覆うだろう。その後、アマクダリが全てを支配するのだ。

2038年1月18日深夜にY2Kと同等の災厄が起きる とあります。

これは、「Y2K(2000年問題)」と「2038年問題」という、現実に起こりうる2つの年問題が元ネタになっています。

2000年問題

西暦の下2桁を使って年月を判定するシステムを組んでいると、1999年から2000年になった瞬間に、コンピュータは2000年を1900年を勘違いしてしまい、誤動作してしまうのではないか?という問題です。Y2Kとも呼ばれます。

実際の年月 データ コンピュータの認識
1999年11月 9911 1999年11月
1999年12月 9912 1999年12月
2000年1月 0001 1900年01月

くわしくは:2000年問題 - Wikipedia

ニンジャスレイヤーにおける2000年問題

西暦二千年を迎えた瞬間、世界中でUNIXが多数爆発し、優秀なUNIX技術者が大勢死んだ

(ニンジャスレイヤー第3部「ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」より)

限られたIPと違法プロキシサーバ基地を巡り、暗黒メガコーポ群主導による論理物理両面での電子戦争が勃発した

(ニンジャスレイヤー第2部「キョート・ヘル・オン・アース」より)

ニンジャスレイヤーは近未来の日本を舞台としており、Y2Kは過去の出来事として語られます。 しかし、現実の世界とは異なる点があります。

  • ニンジャスレイヤーの世界では、2000年時点でIPv4枯渇問題が解決されていないようで、 固定IPを持つプロキシサーバ等は貴重な資源である
  • ニンジャスレイヤーにおけるコンピュータは、バッファオーバーフロー等の不具合が起きると 物理的に爆発する

そのため、以下のように現実世界における2000年問題とは大きく異なる結末を迎えます。

  1. 2000年問題世界中のUNIXが爆発
  2. 爆発の影響でUNIX技術者が多数犠牲となる
  3. 技術者が足りず、IPアドレス枯渇が深刻になる
  4. 残されたIP資源を巡って 戦争が勃発

この戦争の影響で日本は電子的に鎖国、独自の発展を遂げることになります。

何度読んでもこの設定を考えた作者は天才だと思います。

2038年問題

2000年問題と似たような問題なのですが、エンジニア以外には理解しづらく、影響範囲が大きいのが、この2038年問題です。

UNIXでは、UNIXTIMEというデータが広く使われています。 UNIXTIMEとは 1970年1月1日からの経過秒数で時刻を表したもの です。

たとえば、2016年6月14日23時30分10秒のUNIXTIMEは、「1465914610」となります。

$ ruby -e 'require "time";puts Time.parse("2016-06-14 23:30:10").to_i'
1465914610

現代のコンピュータは性能が良いので、とても大きな値を取り扱うことができます。 しかし過去のコンピュータでは、このUNIXTIMEを 符号付き32bit整数 で取り扱っていました。

この「符号付き32bit整数」というのは、約21億5千万が最大値となります。 21億5千万というのは大きな数字に見えますが、21億5千万秒は 約68年 です。

そのため、1970年1月1日から約21億5千万秒後、 2038年1月19日3時14分8秒以降、コンピュータが時刻を正しく扱うことができなくなる というのが、2038年問題です。

実際に、先ほどのUNIXTIMEを31桁2進数(符号付き32bit整数の仮数部)で表すと、以下のようになります。

$ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2016-06-14 23:30:10").to_i)'
1010111011000000001010011110010

$ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2038-01-19 12:14:06").to_i)'
1111111111111111111111111111110
$ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2038-01-19 12:14:07").to_i)'
1111111111111111111111111111111
$ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2038-01-19 12:14:08").to_i)'
10000000000000000000000000000000
$ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2038-01-19 12:14:09").to_i)'
10000000000000000000000000000001
$ ruby -e 'require "time";puts sprintf("%31b", Time.parse("2038-01-19 12:14:10").to_i)'
10000000000000000000000000000010

12時14分8秒に桁があふれたのがわかると思います。 (グリニッジ標準時で午前3時14分8秒なので、日本時間では12時となる)

2038年問題自体は、現実世界でも待ち受けている、私たちが立ち向かわなければならない問題です。

くわしくは:2038年問題 - Wikipedia

ニンジャスレイヤーにおける2038年問題

世界中のUNIXはオーバーフローを起こし、Y2Kにも比肩する爆発と災厄を引き起こすはずです

(ニンジャスレイヤー第3部「スルー・ザ・ゴールデン・レーン」より)

すでに 2038年問題の起きるまさにそのタイミングで、Y2K規模の爆発が起こる であろう事が劇中で指摘されています。

しかしこれが2038年問題による脆弱性なのか、敵組織による何らかの策略により故意に引き起こされる物であるのかはハッキリしていません。

確実なのは UNIXが爆発する ということです。

ルートDNSサーバ

2038年問題について語られると同時に、以下の様なセリフも見られます。

ヒエラルキー最上位に位置する神秘的なUNIXサーバがかつて地球全土に13個存在し、幾つかが滅びたという。その残されたひとつがジグラットなのだ

(ニンジャスレイヤー第3部「スルー・ザ・ゴールデン・レーン」より)

この「ヒエラルキー最上位に位置する神秘的なUNIXサーバ」とは、現実における ルートDNSサーバ が元ネタと思われます。 (ジグラットとはカスミガセキ・ジグラットのこと。ネオサイタマ市役所等を取り込んだ巨大建造物)

実際にルートDNSサーバというのは世界に13個のみ存在し、それを構成するうちのひとつは霞ヶ関から数kmの地点である東京大学にあるそうです。(※実際には地理冗長されているので、サーバ13個=13箇所ではないそうです)

ニンジャスレイヤー第3部の敵組織は、世界中のインターネットを支配するカギを握る何らかのサーバを持っており、2038年問題のタイミングを狙ってなんかするようです。

備えよう。

まとめ

  • IPv6移行は大切
  • 64bit整数は偉大
  • UNIXは爆発する

Pebble Timeのウォッチフェイスを作ってみた

先日Pebble Timeを購入しました。

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Microsoft BandやAppleWatch、AndroidWearも迷ったのですが、以下の理由でPebbleTimeを選びました。

Pebble Timeのソフトウェア開発

Pebbleのアプリとウォッチフェイスは、CloudPebbleを使えばブラウザ上で簡単に作ることができます。

最低限の機能を抑えたIDEエミュレータがブラウザ上で動作するので、SDKのインストールなどをせずともすぐに開発を始めることができます。 (SDKも公開されているので、UNIX上で開発もできるようです)

言語はCとJavaScriptが選べますが、JavaScriptはできる事が少ないようなのでC言語で開発します。

ウォッチフェイスの開発

ためしに、現在時刻としてUNIXTIMEを表示する簡単なウォッチフェイスを作ってみました。

公式のドキュメントが充実しており、チュートリアルに沿って適当にコードを書いていけば時刻を表示するウォッチフェイスを作ることができます。

developer.pebble.com

これに手を加えて行けば、簡単に開発を進めることができます。

また、時刻以外にもPebble側の情報にアクセスするためのAPIが用意されており、ドキュメントも充実しております。

たとえば歩数を取得するには以下のようにします。

health_service_sum_today(HealthMetricStepCount);

developer.pebble.com

CloudPebbleはGitHubと連携することができ、コードをGitHubで公開することができます。 今回作った物は以下です。

github.com

実際に書いたのはmain.cのみで、こんな感じです。

ビルド

COMPILATIONから、エミュレータか実機のどちらにビルドするかを選ぶことができます。

エミュレータでの動作はこんな感じです。

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実機の方はすこし時間がかかりますが、実機ビルドが完了するとPebble本体がぶるぶる震えますので、他事をしながら適当に待ちましょう。 この 「ビルド完了すると通知が来る」 って一見当たり前のような気もしますが、開発者としてはかなり快適です。

なお、「COMPILATION→PHONE→INSTALL AND RUN」でビルドするとPreparingのまま数十分待ってもなぜかビルドできないことがありました。 その時はSOURCE FILESから「SAVE, BUILD, INSTALL AND RUN」を押すとビルドできました。

まとめ

簡単にウォッチフェイスを開発することができました。

Twitterのフォロワー数とかRT数、ブログのPVのような、 毎日確認したいKPIをウォッチフェイスに表示させる ようにしたらアツいと思うのですが、認証とか非同期処理とか面倒くさいのでまた今度。